いまさらUSJ企画
バックドラフトのお菓子を食べてみる!
西日本が誇る巨大テーマパーク、ユニバーサルスタジオジャパン。そこにはたくさんのグッズが売られている。
そんな無数のグッズの中でも一際目立っているのが、バックドラフトのお菓子である。
黒と赤でびかびかに包装されたお菓子。いかにも毒々しく、どんな味がするんだろうと興味がわく。
そこで、早速kiriに食べてもらった。
「また、変なもの、見つけてきて。寒いからちゃっちゃと食べますよ」
相変わらず「GO AHEAD!!の実験」と聞くと不機嫌そうな顔をするkiriは、むすっとして袋を破りだした。
真っ黒な袋。いかにも激辛なものが入っていそうだ。期待が高まる。
一口食べて、kiriは笑いをこらえた。
「おいしいよ」
なぬ?
「iwaりんも食べてみてよ」
ぼくも食べる。
「あ、まじで普通だ」
普通のカレーせんべいだった……。
「じゃあ、次にこっちの赤いのも開けるね」
kiriは口にカレーせんべい風味バックドラフトを、リスみたいにほおばって言った。
「まあ、適当に食べてくれ」
カレーせんべいのおいしさに拍子抜けしたぼくはやる気が失せた。
どうせ普通のお菓子なんだろう。バックドラフトめ、名前とパッケージが大げさなクセして、味はババアの屁よりも地味なんだから。
「辛いっちゃあ、辛いけど、おいしいよ」
「あっそ」
赤い袋のほうは、少しだけ唐辛子がまぶしてあった。
だけど、それはあくまで調味料であって、いたずらに辛さを味あわせる凶器ではなかった。
「うん、おいしいおいしい。こんな実験ならまたいつでも呼び出してね」
kiriはぽりぽりぽりぽり、楽しげにお菓子を食べている。
「ごちそうさまでした」
kiriの満面笑みのピースサイン。
何事もなく実験が終わってしまった。
そりゃあ、実験だから何が起こるかわからない。
だけど、何も起こらないことが起こってしまう実験は哀しい。
この日。ぼくが歩く博多の風はいつもよりも冷たかった。