コンビニへ
iwaとkiriの感想です

iwaの感想です。がんばって読んでください
 もう、二年前の話になるが、東京のあるスーパーに行ったことがある。
 当時、ぼくは経営学を勉強している学生だった。そして当時、ぼくらのゼミが掲げていたキーワードが「もはや、コンビニの時代ではない」。
 ぼくらは、コンビニをバブル時代のものと分析していた。定価販売、いつでもお金が使える24時間営業、うっかりいらないものまで買ってしまうディスプレイ、そのようなコンビニのコンセプトが、無駄使いが平気でできるバブル時代の産物だと考えていたのだ。そして、財布の紐をきっちり締める賢い消費者が溢れる平成不況の中ではコンビニは生き残れない、とぼくらはトレンドを読んでいた。
 その研究の一環として行ったそのスーパーは、本当にすごいスーパーだった。とにかく、なんでも置いている。価格もディスカウントショップ並に安い。まじで、コンビニなんか目じゃななかった。
 また、コンビニの専売特許のように思われている二十四時間営業も、ぼくらが分析しだした頃には、少なくとも大阪でいくつかのスーパーがやっていた。東京ならおそらくもっとあるはずだ。夜中でも売ってるものが安いスーパーがあるならば、わざわざコンビニには行かないとぼくは思っていた。
 おまけに、「マツモトキヨシ」のようなドラッグストアが台頭し、もはやコンビニの時代ではない、としかぼくらには考えられなかった。
 その研究をしてまもなく、ファミリーマートをセゾングループが売却(すぐに伊藤忠が買ったけど)し、いよいよコンビニの時代は終わりだしたなあとぼくが実感したのが二年前である。
 さて、二年後、どうだろう。ぼくは、いまさらながらこの結果に驚いている。
 もはやコンビニの時代ではない、どころか、いまやコンビニの時代ではないですか?
 セブンイレブンは親会社のイトーヨーカドーの売上を超えるどころか、二十八年間小売業売上高一位だったダイエーを抜いて、日本最大の小売業者になってしまった。どうして?
 ダイソーの百円均一、ユニクロ、無印良品と、品質がいい悪いはともかく、安い物が売れてる時代ですよ。そんなときに、どうしてコンビニがスーパーに勝っちゃうの? 売ってる商品はスーパーのほうが同じものでも安いよ。なのに、君たちはどうしてコンビニで買うのさ。
 実はぼくにはよくわからない。たしかに、コンビニにはよく行くけど一回に使うお金はスーパーに比べると少ない。スーパーならば一回に千円以上のお金を使うのは普通だけど、コンビニで千円以上のお金を使うことはめったにない。なのに、なんでコンビニのほうがスーパーより売れてるの?

 簡単にいくつか分析はしてみた。
 @徹底したPOSシステム
 コンビニのPOSはすごい。何気なくぼくらが買い物をしているコンビニは「いつ、誰が、何を買うか」が手に取るようにわかる戦略情報システムを持ってるのだ。そのような、欲しいものがある状態を常に保っていれば、たしかに立ち寄りやすい。
 Aコンビニ式店内ディスプレイ
 コンビニの店内ディスプレイのいちばんの特徴は雑誌の置き方である。これだけは、どこのコンビニに行っても変らない。常に窓際に置いてある。これだと気楽に立ち読みしやすいもんね。この置き方がどんなコンビニに行っても変らないところを見ると、この雑誌の置き方はなにか人をひきつけるものがあるのだろう。
 Bテイクアウト食品の充実
 テイクアウト食品とはぼくの造語だが、レジのところに置いてある肉まんやおでんなんかの商品である。こればっかりはスーパーでは手に入らない。スーパーで肉まんを買おうとするなら、スーパー内のパン屋へ行かなくちゃいけないし、てんぷらの惣菜はあってもおでんは置いてないところが多い。スーパーで気楽に買い食いはできないけど、コンビニならできるということだ。
 そこで、今回、ぼくらはBのテイクアウト食品を調べてみた。スーパーでは手に入らないコンビニならではの「独自性」、買い食いができる「気楽さ」、ぼくはそこにコンビニ躍進の秘密があると考えたからだ。
 そして、たしかにたくさん利用されている。週単位ではそれほどでもなくても、あらゆる種類の食品が売れていた。
 テイクアウト食品、恐るべし。
kiriの感想です。がんばって読んでください
 コンビニは何でもあります揃っています。
「コンビニに置いてほしい食品は何ですか?」の質問に「だいたい何でも揃っているので特に思いつきません」という答えが思ったより多かったのです。
 某薬局のCMじゃないけれど「何でも欲しがる」現代っ子の私達のはずなのに「特にない」と言うのです。これには驚きました。「もっともっと」と何かを求める人が多いだろうと私は思っていたからです。
 確かに今、コンビニには何でも揃っているし、これ以上揃えたら、スーパーマーケット並、いやデパート並だもんね。この先、コンビニは無くなって、その代わり24時間年中無休のデパートが出てくるかもよ。店員は全部ロボットとかでね、ドラえもんが現れそうな22世紀の世界みたいになってたりしてね。
 でも、それに近いものが今現代に存在してるじゃないですか! インターネットの「オンラインショッピング」ですよ。商品が手元に届くまで日にちがかかるものの、24時間年中無休の品揃え抜群なお店。コイツが今より更に進化した時、世の中からコンビニは消えてしまうのでしょうか?
 もしコンビニが無くなったら寒い冬にあったかい肉まんを小走りで買いに行くことが無くなるなあ。そうそう、それにカッコイイ店員目当てに行く事もなくなるなあ。コンビニが消えると不便というより「季節」と「人とのふれあい」、そして「小さな幸せ」を失うような気がするんですよ。
 季節を感じる瞬間はたくさんあるとは思います。でも、コンビニに足を踏み入れた時、花火が売ってあると夏休みのドキドキ感と懐かしさを感じたりしませんか? そして風が冷たくなって来た頃、レジの横にどどーんと登場する肉まん。「ああ、もうそんな時期か」とおセンチになってみたり。普段よく利用する場所で、こんな風に季節を感じられる事って必要だと思うんですよ。
 そして「人とのふれあい」。ふれあいというよりコミュニケーションでしょうか? たとえば、あまりいものではないけれど、コンビニ前にたむろしているちょっと悪そうなおにーちゃん。待ち合わせに使う友達同士や恋人達。塾帰りに迎えの車を待つ学生。そこで、ジュースやアイス、寒いなら肉まんを食べつつ、他愛のないことをおしゃべりし、コンビニでのひとときを楽しんでいるのです。
 コンビニには何でも揃ってます。
 世の中の人が売ってなさそうと思っているけど、実は一番売れているもの。
 それは「小さな幸せ」ではないかと私は思うのです。
 コンビニ利用者が多い理由が「便利だから」というのは一昔前の事。
 現在では「小さな幸せ探し」の為だという風に変わりつつあるのではないかと私は考えます。

前へ

コンビニテイクアウト食品トップヘ