ドリアンガムに挑戦!

 近鉄のローズがホームラン王だとしても、ナポナがお菓子のホームラン王であることはかわりがない。
 そして、強引な展開ではあるが果物の王様と言えば、やっぱりドリアンなのだ。
 ドリアン、それは非常に美味とも伝えられるが、悪名高きくだものでもある。
 まだ、ぼくは一度も食べたことがないのでなんとも言えないが、人づてに「うんこ臭い」だの「たまねぎ臭い」だの「ニンニク臭い」だのとドリアンの噂を聞いたことがある。
 味に関しても、「よく味わえばおいしい」と言う人もいるが、味覚というのはにおいいによって強く影響を受けるので、「うんこ臭いにおいが鼻に残って、うんこ臭い味がする」と言う人もいる。
 そこでつねづねぼくは、噂で判断するのではなく、実際にそのものに触れて、「本当にうんこ臭い食べ物なのか」を実験したいものだと思っていた。
 だが、ドリアンはたとえうんこ臭くても果物の王様である。粗末にするにはもったいないほど貴重であり、たまにデパートの果物屋で奥の方でどでんと偉そうに売られているのを見ても、メロンが安く思えてしまうほど価格が高い。
 ドリアンを買えるほどのお金を持っていたら実験のためにつかうよりも、ソープに行ってしまうぼくだから、これまでGO AHEAD!!はドリアンの味を確かめる実験を断念していた。
 そんなぼくに朗報が訪れる。
 インドネシアのバリ島に行った知人が、ドリアン味のガムを買ってきてくれた。
「たぶん、ドリアンの味がするよ」
 たぶんじゃ困るような気もするが、ドリアンを擬似的に体験するにはガムでもいいではないか。
 しかも、ガムはミントガムなんかを噛んでみたらわかるけど、においを楽しむ要素も強い食べ物である。うんこ臭さは、本物のドリアンよりも強く感じられ、お得になることもあるかもしれない。
 とゆうわけで、今回、三人の女性にこのドリアンガムを食べてもらった。


  tyuruの場合
 Hになるドリンクにも出演している割にはマイナーキャラのtyuruは、一口加えると「まずい」と言って笑う。
 そして、粗末にもすぐに吐き出した。
 感想は「たまねぎとニンニクに、うんこをまぶしたような味」。彼女の味覚ではドリアンはうんこ臭いようだ。


  kanaの場合
 tyuruが「うんこ臭い」と言ったのを目の前で聞いていたkanaは、苦笑いをしながら食べた。
 よっぽど悪い想像をしていたのか、口に入れた瞬間は「意外に平気だよ」と笑顔。
 しかし、ドリアンの強烈さはすぐにやってきて、口を開けて大きくシャウト。
 感想は「オニオンスライスっぽい」とのこと。
 「うんこの味はしなかったの?」と聞いたら、苦笑いしていた。彼女の味覚でも微妙にうんこ臭いようだ。


  kiriの場合
 前回の実験で賞味期限切れの食べ物を食べさせられたkiriは、この日は慎重だった。
 食べさせる前から、「どうせiwaりん、またろくでもないものを食べさせる気なんでしょ」と不愉快な表情。
 食べてみると、ぼくが持ってきた食べ物のセオリー通りまずいので、顔を曇らせた。
 いやーな空気が、ぼくとkiriの間にできる。
 しかし、最後はあまりのまずさに、笑いを吹き出し、なんとか話を聞ける雰囲気になった。
「うんこは食べたことないから、うんこの味かどうかはわかんないけど、変な味」というのがkiriの感想。
 うんこの味がわからないなら、今度、うんこを食べるように!

 というわけで、ドリアンガムでもそれなりにうんこ臭いようである。本物はもっと臭いんだろうなあ。
 おそらく、このドリアンのうんこ臭さがおいしく思えだすと、人はスカトロに走るのだろう。
 うんこ臭い食べ物がくだものの王様なんだから、うんこは食べ物の王様なのかも知れない。 
 いつの日か、ぜひともうんこを食べる実験の実現を夢見て、今回の実験は無事終了した。

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