フロマラソン。この過酷なスポーツをご存じであろうか?
フロとマラソンが好きな日本人に向けて、NBAが2001年に発表した21世紀の新たなレクレーション「フロマラソン」。
これからの発展が大いに期待され、2222年頃にはオリンピック種目になるかもと無責任な噂までたっている。
ちなみに、NBAとはもちろん、日本バス協会のことである。
それではまず、このフロマラソンの正式ルールを紹介しよう。
フロマラソン競技規則(抜粋)
1.競技者は裸であること。水着は認めない 2.競技者は入浴後、浴槽から出るまでの時間を競う 3.競技者への給水は認めない 4.浴槽へはお湯を足すことのみ認める 5.タオルの投げ込みはリタイヤである |
まあ、簡単に言えば、フロにどれだけ浸かることができるか競争するだけである。
そして、今回、私がフロマラソンに挑戦した。
スタート
自らの誇りを賭けて入浴した。気持ちがいい。鼻唄まで出てきそうなハピネスな気分である。
三十分経過
だいぶ頭が熱くなる。湯船のお湯で頭を濡らして、頭を冷やすも追いつかない。
四十五分経過
サッカーならば、ここでハーフタイム。休憩できるのだが、フロマラソンに休憩はない。
ただ、ひたすら自分の体をふやけさせるしかない。
一時間経過
浴槽に浸かりっぱなしで一時間、このつらさは想像を絶するものがあった。
身体を洗ったりしながらの出たり入ったりならば一時間ぐらい楽勝なのだが。
一時間十五分経過
おそろしく時間の経つのが遅い。もはやギブアップ寸前、ハイのぼせ状態である。
一時間二十四分五十二秒
一時間二十四分五十二秒、これが今回のiwaの記録である。
フルマラソンの世界記録(二時間六分)ぐらいは浸かっていたかったが、あっさりギブアップ。
しかし、観衆はブーイングすることなく、このフロマラソンを成し遂げた私へ温かい拍手を送ってくれた。
だが、いまの私には温かさは欲しくなかった。
この写真の目つきを見ていただければわかるように、相当危険な状態である。
フロマラソン、それは過酷なスポーツだ。
終了後
風呂上がりなのに、なぜか顔色が青い。
脱水症状の一歩手前である。
そんな状態になるまで自分を追い込んだ私はこう言った。
「自分で自分を誉めてあげたい」