レッツ・ノーパンしゃぶしゃぶ

 ある日、masaくんはぼくに言った。
「先輩、パンしゃぶ連れっててくださいよ」
 なにこいつは三年ぐらい前の税金泥棒みたいなことを言いたれてんだ、と思いながらも優しい先輩であるぼくはおだやかに答えた。
「パンしゃぶってノーパンしゃぶしゃぶだろ? いいよ」
「ホントっすか、先輩」
「ああ、いいよ」
 当日、masaくんはウキウキしてやってきた。
「先輩、本当にパンしゃぶ連れってくれるんですよね」
「ああいいよ。でもな、その前にちょっと顔貸してね」
 と言いながら、ぼくはmasaくんを男子トイレに連れ込んだ。
 以前(Hなドリンクの実験)、kiriに女子トイレに連れ込まれたmasaくん、彼はよくトイレに連れ込まれるようである。
 男子トイレ、そこにはぼくの側近、tanayou氏と京都氏のふたりが待ち受けていた。
 tanayou氏と京都氏のふたりが両腕を掴み、masaくんを大用の個室に閉じこめる。
「やめてください」
 とmasaくんは抵抗したが、彼はされるがままにズボンを脱がされた。
「ごめんなさい」
 とmasaくんは理由もないのにあやまる。
 ぼくはmasaくんのトランクスをハサミでちぎった。masaくんのイチモツがあらわになる。
「許してください。ケツはバージンなんです。やめてください」
 ぼくはmasaくんのイチモツを、おれのよりデカイやと悔しい気持ちで見つめながら言った。
「二人とも手を離していいよ。masaもさっさとズボンを履け。しゃぶしゃぶ食いに行くぞ」
 masaくんはあっけに取られたようにぼくらを見ている。
「先輩、もしかしてパンしゃぶって、ぼくがノーパンってことですか?」
「ああそうだよ」
 ぼくらはしゃぶしゃぶ屋へ向かった。


しゃぶしゃぶ屋でまず一枚目の写真。
masaくんはいまにも泣きそうだ。
内心で「こんなのパンしゃぶじゃない」と
思っているに違いない。

 しゃぶしゃぶ屋に着くとノーパンの辛さからか、masaくんは複雑な表情でぼくらを見ていた。
「おまえなあ、せっかくしゃぶしゃぶ喰いに来たんだから、楽しく喰おうぜ」
 ぼくとtanayou氏と京都氏は言う。
 masaくんはいやいや楽しそうな顔をした。


楽しそうな顔を装ってタレを
小皿に入れるmasa。

 肉が来る。
「iwaはおまえの高校の先輩だろ。肉をいれんか」
 京都氏がmasaくんに鋭い突っ込み。
 masaくんは、旦那に絶対服従の妻のように働く。


masa「はい、お肉入れます」

京都氏「おら、アクが出てるぞ」
masa「はい」

 しかし、ぼくらはmasaくんをいじめようと思って、ノーパンにしてしゃぶしゃぶ屋に連れてきたわけではない。
 ぼくは先輩として、一人暮らしで偏りがちなmasaくんの栄養を補助してあげようと言う気持ちから彼をしゃぶしゃぶに誘ったのだ。
 たまたま見てしまった彼のイチモツが、予想以上にラージサイズだったので、ぼくや他のふたりは彼にきつく当たってしまった。
 時間が経つに連れて、反省したぼくらは少しずつ、masaくんに優しくなった。


「ほら、この肉、喰えよ」
「うまいです」
「それはよかった。どんどん喰え喰え」

 masaくんがノーパンだったことを除けば、普通の会食と変わらないしゃぶしゃぶも終わり、masaくんに感想を聞いた。
「どうだった?」
「おねえちゃんがいないのは残念でしたけど、楽しかったです」
「そうか。それで、ノーパン体験は」
 すると、彼はおもむろにズボンのケツのところを引っ張った。


masa「座ってたから、汗でケツにジーンズがくっついたみたいです」
京都氏「おまえ、それうんこじゃないのか」
masa「違いますよお」


 彼はうんこじゃないと、主張するが、彼のズボンはケツにべっとりくっついたようだ。

 ケツにズボンがくっつくのをmasaくんはかなり気にしてた。歩くたびに、食い込むようで、時々直している。
「気持ち悪いですね」
 masaくんが言った。
 ぼくはそれを一言で片づけた。
「でも、これがおまえの望んでたことじゃないか」
「え、でも」
 とmasaくんは何か言いかけたが、京都氏がにらむと
「なんでもないです。ありがとうございました」
 と笑顔で言った。
 しゃぶしゃぶ屋をでて、最寄りのバス停まで歩く。三人とも方向が違うので、そこで別れることになった。
 別れ際、masaくんはぼくに言った。
「先輩、この辺で安くパンツが売ってるところ知りませんか?」
「さあ」
 ぼくは含み笑いで首を振ってmasaくんと別れた。

結論・ノーパンしゃぶしゃぶは、ケツにズボンがくっつく!

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