写真1


写真2


写真3


写真4


写真5


写真6

 またもや、お茶のブームがやってきた。
 六年前の「十六茶」(アサヒ飲料)対「おーい! お茶」(伊藤園)戦争以来である。
 缶ジュースが贅沢品だった三〇年前には考えられなかったことだが、「お茶」はいまでは清涼飲料水の一大シェアになってしまった。お茶っ葉にお湯を入れれば家庭でも簡単に出せるものが、コーラや果汁入りジュースと同じ値段で売られている。
 現在ではそれが信じられないと思う人は少ないだろう。お弁当屋さんからプラスチックのケースに入ったティーバック入りの「お茶」だって消えつつある。
 缶ジュースやペットボトルに入ったお茶を飲むのは、いまではもう普通のことなのだ。
 二年前、「一休茶房」(サンガリア)の温かいペットボトルが発売され人々を驚かせた。そして昨年秋の「生茶」(キリンビバレッツ)の大ヒット、その波に乗って今年の四月には大量の新製品が発売された。
 まさに、「21世紀お茶戦争」である。
 そこで今回、「いつも流行を気にしていたい」と以前「kiri kiri mai」で発言していたkiriに、流行に乗り遅れないために、いま流行のお茶のペットボトルをひとつ飲んでもらった。
 kiriに飲んでもらったのは、ポッカが発売している「うっちん茶」(写真1)だ。
 今年の流行は「生茶」を筆頭に、最後に「茶」というキーワードが入るものがヒットしている。
 もちろん、この「うっちん茶」も最後にちゃんと「茶」というキーワードが入っている。なにやらヒットの予感のする商品である。
 写真を見ていただくとわかるように、お茶の色はこれまで主流だったグリーンやブラウンではなく、イエロー。新色である。ユニクロのフリースも新色が出るたびに売れた。ということは、なるほど、「新色」は流行のキーワードなのだな。
 なぜ、「うっちん茶」の色がイエローなのかというと、主な原料が「うこん」、つまりカレーでよく使われるスパイス「ターメリック」だからだ。たくわんの色づけにも使われるスパイスである。
 ちなみに、いかにも作ったような話でちょっともおもしろくないのだが、kiriは何度も本気でこの「うこん」をスカトロチックに読み間違えていた(写真2)。一度でいいからそういうものを飲んでみたいという願望があるのかもしれないね。
「うこん=うんこ?」というあまりにも、うこん生産業者には迷惑な勘違いを頭に描いたkiriは、ペットボトルのキャップを開け、臭いを嗅ぐだけで鼻を曲げた(写真3)。
「くさい! iwaりんのおならよりもくさい」
 大きなお世話だ。
「それで、やっぱり、これ、あたしが飲むのよね」
 その通り。
 kiriは臭いを確かめるように嗅ぐ(写真4)。
「えー。飲めないよ」
 つべこべ言わず、飲め!
「だって、あたし、明日誕生日なんだよ」
 そうなのだ。撮影した四月七日は、kiriの誕生日の前日だった。
「ほほー。それはおめでとう。ならば、記念に飲もう」
「えー、やだー。だって、うんこみたいなんだもん」
 おっと、kiriがまたもや禁句発言。それにしても、たしかに食品なんだから「うこん」って名前は変えたほうがいいとぼくは思うな。
「大丈夫だって。うこんは身体にいいんだよ。よしんば、それがおまえにはうんこに見えたって、おしっこを飲む健康法だってあるぐらいなんだから、楽勝で飲めるよ」
 押し問答が十分ほど続き、やっとkiriは覚悟を決めてくれた。
 実験のときの恒例であるがやっぱりkiriは半泣きである。
「わかった。じゃ、飲むね」
 と言って、ペットボトルに口を付けた(写真5)。
「うげ。なんか苦い」
 一口、口に含んだ程度で、kiriはペットボトルから口を外す。
「もっと、飲めよ。実験にならんだろ!」
 カメラを置いて厳しく注文を付ける。kiriは眼鏡の奥から、恨めしそうに半泣きの涙を光らせていた。
「いいじゃない! これで! どうせ、ホームページは写真なんだから、こうやって口を付けてるだけでも飲んだように見えるでしょ! それで何がいけないって言うの!」
 ついにkiriがキレた。
 こういうキレた女に怒鳴り返すのは逆効果である。
 ぼくは、わざと猫なで声を出した。
「kiriちゃん、君はそう思うかもしれないけど、ぼくらのホームページに来てくださる方は、貴重な時間と電話代をかけて、君の写真を見てくださってるんだよ。そんな人たちを欺くようなことだけはしてはいけないよ。そりゃ、たしかに一度だけ、Hになるドリンクのときだけは、ちょっと大げさに書いたこともあるさ。でも、それは見てくださる方へのサービスとしてちょっとオーバーに書いただけなんだ。ぼくらがラクしたかったから大げさにしたわけじゃない。まだ、若いんだからラクは覚えないでおこうよ。せっかく、来てくださった来場者のためにも、本気でぶつかろうよ」
 kiriは何も言わなかった。無言でペットボトルを手に持った。
「じゃあ、写真お願いします」
 そう言って、ごくごくとすごい勢いで飲みだした(写真6)。
 照れくさいのかカメラに視線をあわせていないが。まあ、それもいいだろうと思って注文は付けなかった。
「感想は?」
 飲み終わった直後、kiriに聞いた。
「くさい! ゲップ出そう! いまゲップしたらすごいくさいよね。ひゃー」
 そう言ったkiriの顔は笑っていた。
 誕生日を目前に控えて、kiriはひとつ大人になったようだ。

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