手づくりヨーグルトを食べてもらおう!
3月14日はホワイトデーである。
iwaさんは、モテモテくんだから毎年この日、頭を悩ませる。
「今年は何をお返ししようか」
今年も悩んでいた。
そんな折り、シンポジウムにぴぃまん通さんが以下の内容を書き込んで下さった。ちょうどホワイトデー二日前、悩みがピークに達していたときである。
私の友人が既にやったことですが、40度くらいに暖めた牛乳にブルガリアヨーグルト一さじ入れてポットの中で8時間寝かせたら一応ヨーグルトが出来上がったらしいです。
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バレンタインデーでは、通常、市販のチョコレートよりも手づくりのチョコレートをプレゼントしたほうがよいとされている。
それと同じように、ホワイトデーも手づくりのものをプレゼントしたほうがよいのではないか、とぼくは思った。
「ホワイトデーはマシュマロでしょ」とステレオタイプの発言をする子女もいるかもしれないが、ヨーグルトは白いのだからホワイトデーのプレゼントにしても変ではないだろう。
よし、ホワイトデーは手づくりヨーグルトをプレゼントしてやろう。
更に実験までできれば一石二鳥だ。
というわけで、ぼくは3月13日未明、自宅の薄汚れた台所で自家製ヨーグルトの作成にかかった。
手づくりヨーグルトを作ろう!
step1 今回は明治カルダスと明治プロビオヨーグルトを使用しました。 |
step2 まず、電子レンジで40度に温めました(500Wで40秒)。 |
step3 ビンの牛乳を少し飲み、ヨーグルトを入れる余裕を作ります。 |
step4 ティースプーン1杯のヨーグルトを人肌程度の温度の牛乳に入れます。 |
トラブル発生 | |||
step5 ぴぃまん通さんのおっしゃる「ポット」を電気ポットと解釈したので、お湯を抜いた電気ポットに入れました。 |
ここでトラブルが発生します。電気ポットをコンセントに接続したら、電気ポットが「保温」から「わかす」に切り替わってしまったのです。お湯を抜いているので、電気ポットは空だき状態。怖くなったので、電気ポットのフタを開けてみたら、牛乳ビンが、ストーブの上に乗せたときのように熱くなっていました。これではまずい、と判断したぼくは、とりあえずポットから牛乳瓶を取り出しました。 ・なお、あとで聞いたところによると正しくは「電源を入れない電気ポットで寝かせる」そうです。 しかし、このときは、そんな知恵は浮かびませんでした。 |
step6 妥協策として、部屋のヒーターの上で八時間寝かせることにしました。ただし、環境への配慮として、ヒーターのスイッチは入れたり、入れなかったりでした。 「どうせおれが食べるんじゃないんだし」という気持ちが、手づくりヨーグルトの作成を適当にしてしまったようです。 |
ホワイトデーがやってきた
ホワイトデー当日、kanaを呼び出し、手づくりヨーグルトをプレゼントした。
「ホワイトデーだ。おまえにやる」
とぼくがいうと、
「わたし、iwaりんにチョコレートあげてないよ」
というので(たしかに、もらってなかったような……)困ったが、
「いいじゃないか、食べてよ、せっかく作ったんだから」
と鈴木宗男のように泣きながら頼み、なんとか食べてもらえることになった。
人生において、泣き落としも時には有効である。
泣いたiwaをなぐさめるように
苦笑いをしているkana。
kanaは、「わたし牛乳、飲めないんだけど」と言ったが、「牛乳じゃないんです。ヨーグルトなんです」と説得してフタを開けてもらった。
フタを開ける。
フタを開ける。
匂いはヨーグルトの匂いがしていた。成功だ。ツメが甘くなったわりにはヨーグルトになっている。
とぼくが思ったのもつかの間、kanaが笑いながら意外なことを言った。
「これ、飲むの?」
「え?」
見ると、匂いはヨーグルトだが、ビンの中に入っているものは固形ではなく、液体であった。
「そうそう、飲むヨーグルトだから」
と、ぼくはとっさに嘘をついた。ごめんなさい。
これホントに飲むの?
どろどろしてたけど、ほぼ液体だった。
ストローに口をつけるkana。
まずい! kanaの感想は一言だった。
「まずい!」
飲むやいなや、kanaは言った。
「こう言うのを女の子に飲ませるなんて、iwaりんはどんな神経をしてるの」
kanaの表情が変わった。
kanaのお説教が始まる。
「あんたも飲みなさいよ」
4つ下の女の子にあんた呼ばわりされて、ぼくも飲んでみた。
ものすごくまずかった。
牛乳の臭さだけが薄く残った不気味な液体だった。牛乳をこぼしたときに拭いた雑巾の白い絞り汁をそのまま飲んでいるような感じだ。
更に、時折、つぶつぶオレンジみたいな固形物が口に残る。
この固形物が、ひたすらに酸っぱかった。昔流行った「ヨーグルトきのこ」を腐らせたような味で、三日前に開けたヨーグルトのフタを舐めたらこんな味がするだろうと思えるような味だった。
とにかく、この味は温厚なkanaが怒りを露わにするほど、まずかった。
「これだけのものを飲まされれば、怒りたくなるのもわかる」
飲んでみて納得したぼくは、これから一時間、甘んじてkanaの怒声を聞くしかなかった。
ホワイトデーは手づくりのものよりも、高価なバッグやアクセサリーをプレゼントしたほうが賢明のようである。
ご立腹のkana嬢。
おまけ
↑裏ページみたいなものです。
お暇でしたらどうぞ。